https://news.yahoo.co.jp/articles/d3a05c41118647a5c94e83021089abe90e22a288

 事件当日の明け方3時ごろ、朝5時まで開いていたこの店に、被害者を含む日本人5〜6人のグループが来店した。それまでに他の店でも飲んでいたというから、皆、相当酔っていたのだろう。そのうちの1人がトイレで酔いつぶれてしまう。それを介抱したのが、店の仕事が終わった中国人のアルバイト店員だった。

「そこで『おまえ、なかなか気が利くな。一緒に飲もう』ということになった。店に客が少なかったこともあって、彼らは一緒に飲み始めたんだ」

「中には酒癖の悪い者もいたのだろう。中国人アルバイトはここに座れと言われたり、頭を何度か小突かれたり、肩をガシッと押さえられたりしたらしい」

 会社の先輩、後輩や仲間内なら、それも“酒の席のこと”で済んだのだろうが、相手は初対面の中国人だ。一緒に飲んでいるうちにだんだん不快になり、とうとう日本人たちと口論になった。

 すんでのところで他の従業員が止めに入った。中国人アルバイトは制止され、その場はいったんそれで収まったという。日本人グループは店の外に出ていった。だが、それで終わりではなかった。

 すぐに被害者が店に戻ってきたのだ。

「なぜ戻ってきたのか、理由はよくわからない。忘れ物をしたのか、もう一度、文句を言おうとしたのか。だが、被害者の姿を見たアルバイト店員は、自分がやられると誤解した。次の瞬間、厨房にあった長い包丁をつかみ、被害者の胸を狙って一突きしたんだ」

 “ここだよ”と、元刑事Aは胸の真ん中を指差した。

 被害者は心臓の大動脈をすっぱりと切られ、ほぼ即死状態だったという。