市川市内で“パパ活”の男子大学生を刺殺した上、放火しようとしたとして、殺人と放火予備の罪に問われた埼玉県三郷市、無職、斉藤陽一郎被告(37)の裁判員裁判の判決公判が18日、千葉地裁であり、安藤範樹裁判長は「刺し傷は深く、非常に残忍な犯行」として懲役17年(求刑懲役20年)を言い渡した。

安藤裁判長は、被告は男子大学生から絶縁を告げられ「絶望や悲しみ、執着心を募らせ犯行に及んだ」と指摘。男子大学生に100万円以上を援助し、一緒に墓参りに行くほど好意を寄せていたことから「絶縁が苦痛となったのは理解できるが、被害者に非はなく、殺害が正当化される余地はない」とした。

さらに「犯行後、冷静に身辺整理をしてから自首した。善悪の判断ができていた」と判示し、心神耗弱の可能性があるとした弁護側の主張を退けた。

判決によると、被告は昨年5月10日ごろ、市川市の男子大学生=当時(21)=宅で、男子大学生の背中などを複数回、ペティナイフで刺すなどして殺害。さらに、男子大学生宅にガソリンと灯油をまぜた油をまいて放火しようとした。被告は放火を思いとどまり、翌11日、市川署に自首した。