「私は…き」

それを言い終わると同時に彼女の顔が近付き、一瞬の内に俺の口元に自分の唇を押し付けていた。

「んっ…!!」

いきなりの事に俺は驚き、声を漏らした。彼女の唇によって口を塞がれ、言葉を発する事が出来なかった。気が付くと彼女の舌が口内に入り込み、俺の舌にねっとりと絡みついてきた。あまりに突然の出来事に対応出来ず、彼女の舌の侵入を許してしまった。離れようにも後頭部に腕を回され、後ろに逃げる事も出来なかった。

「ん…んんっ…!!」

彼女のキスはより激しさを増していき、結果として俺は彼女のベッドに押し倒される形となった。互いの舌を伝い、彼女の口内の唾液が津波のように流れ込んできた。

ディープキスというものは口内がここまで相手の唾液に犯されるものだったのか。二人の唇が離れてしまえば彼女の口元から唾液がこぼれてしまうだろう。口いっぱいに溢れる唾液の海に俺は溺れそうになっていた。