【侍ジャパン】佐々木朗希から山本由伸リレーで21日準決、22日決勝はダルビッシュ有、今永昇太で世界一奪還

 侍ジャパンが世界一奪還へ「超総動員態勢」を敷くことが17日、分かった。20日(日本時間21日)の準決勝をロッテ・佐々木朗希投手(21)からオリックス・山本由伸投手(24)のリレーで勝ち上がり、21日(同22日)の決勝にはパドレス・ダルビッシュ有投手(36)やDeNA・今永昇太投手(29)ら、自慢の投手陣を惜しみなくつぎ込む構想だ。16日の準々決勝でイタリアを破ったチームはこの日、チャーター機で米マイアミに到着。総力を挙げ、悲願達成を目指す。

 勝利の余韻に浸る間はなかった。栗山監督の言葉が象徴していた。「今までと本当に変わらず、すべてを出し切って。どんな形でも勝ち切る。それだけを考えて準決勝に行きたい」。イタリアを下した準々決勝(16日・東京D)を終え、すぐにチャーター機で約13時間のフライト。現地時間未明(日本時間17日午後5時前)に、侍が米マイアミに降り立った。指揮官は強い決意とともに「超総動員態勢」を整えていた。

 WBCは1次ラウンド(R)から5試合でわずか11失点と盤石の投手陣。これまで佐々木朗と山本の2人がそれぞれ準決勝、決勝の先発候補とみられてきたが、プエルトリコかメキシコと当たる準決勝は、佐々木朗から山本のリレーで、同時投入する予定だ。昨年12月には、舞台となるマイアミのローンデポ・パークを訪れている2人。先陣を切る朗希は「チームの勝利のためにも自分の投球をしたい。優勝して(日本に)帰ってこられるように、頑張りたい」と約束した。

 1次Rでは11日のチェコ戦(東京D)に先発し、3回2/3を1失点で勝利投手になった。ロングフライトでも「たくさん寝られるように。寝る努力はしたい」とコンディション維持に努めたようだ。2番手で待機する山本も、12日のオーストラリア戦(東京D)で4回1安打無失点と完璧。18年には1軍でリリーフ(54試合)を務めており、経験値も高い。06、09年に連覇した日本だが13、17年はともに4強敗退。準決勝からは球数制限も95球まで引き上げられ、2人とも長い回を投げることが可能。壁を乗り越えるために万全を期す。

 2試合に投げた大谷は、準決勝以降は打者専念の方針。試合展開や投手起用にもよるが、決勝の先発はダルビッシュや今永が候補だ。ダルビッシュはここまで先発、救援で2試合に登板。精神的支柱でもあり「みんなでしっかり集中して、いい調整ができれば」と全員の思いを代弁した。

 実は絶好調なのが今永。今大会は救援で2試合で計4回を1失点と貢献し、自己最速の154キロも計測した。29歳は、36歳のダルビッシュに続く年長者。経験豊富なリレーで主導権を握り、登板可能な全員をスタンバイさせる構想だ。

 会場となるローンデポ・パークは1996年アトランタ五輪の男子サッカー1次リーグでブラジルを撃破する「マイアミの奇跡」が起きたマイアミ・オレンジボウルの跡地に建てられた。「奇跡」ではなく「歓喜」を。世界一奪還へ、超一戦必勝、総力を結集して集大成へ向かう。

https://hochi.news/articles/20230317-OHT1T51206.html?page=1