大手ゲーム会社、スクウェア・エニックスのゲーム開発をめぐるインサイダー取引事件で、東京地検特捜部は、元社員2人が公表前の内部情報をもとにIT関連会社の株をそれぞれ1億円以上、不正に買い付けたとして金融商品取引法違反の疑いで再逮捕しました。
再逮捕されたのは、大手ゲーム会社、スクウェア・エニックスのいずれも元社員の中裕司容疑者(57)と佐崎泰介容疑者(39)の2人です。

東京地検特捜部によりますと、中元社員は、名古屋市のIT関連会社がスクウェア・エニックスと新作ゲームの共同開発を進め、業務提携を行うという公表前の内部情報をもとに、この会社の株を1億4400万円分、不正に買い付けたほか、佐崎元社員も同じ情報をもとに1億500万円分の株を買い付けたなどとして、いずれも金融商品取引法違反の疑いが持たれています。

2人は先月、別の会社と進めていたゲームの共同開発の情報をめぐってもインサイダー取引を行った疑いで逮捕され、特捜部と証券取引等監視委員会が詳しい経緯を調べていました。

2人は、いずれも現職の社員だった、おととし9月から12月にかけて業務提携などの情報を入手した疑いがあるということで、特捜部などは、さらに実態解明を進める方針です。

特捜部は2人の認否を明らかにしていません。

中元社員は、1990年代に別の大手ゲームメーカーで人気ゲームの「ソニックシリーズ」の開発を担当したゲームクリエーターとしても知られています。