彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大物芸術家や」
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ヴー
解放者リエンツィは高らかに宣言した
トランペットの響きが
長く鳴り響くのを聞いたら
起き上がって駆けつけるのだ
そのとき私は諸君に自由を宣言する
貴族マドリアーノが問う
リエンツィ、君は何をする気だ?
君は強大だ。言ってくれ、
権力をどこに向けて使う気なのだ?
リエンツィは答える
私はこの国を偉大で自由にする
……
私はそのために法を作りたいだけだ
その法に民衆も貴族も従うのだ! 民衆は狂喜する
彼こそ、我ら民衆のためにいるのだ
それゆえ、我らの言うこと聞いて、賛成してくれ
我らは彼の民衆、彼は我らの王だ!
リエンツィは叫んだ
私は王ではない!
だが、諸君らは私を守護者に選んだ
民衆に法を知らしめる守護者
諸君らの先祖に倣って
護民官と私は名乗ろう!
民衆は歓喜して答える
ハイル リエンツィ、我らの護民官! 貴族ステファノは吐き捨てる
奴は民衆の偶像だ
民衆を欺瞞している
・・・
貴族に扇動された民衆がわめく
裏切り者!俺たちは奴に尽くした
奴の功名心のために、俺たちの血が犠牲になった
奴は俺たちを破滅に追い込んだ
復讐だ!
リエンツィは嘆く
……私が引き上げてやった民衆たちも
私を見捨てた
私の幸運に集まってきた友たちも
私を見捨てた…… 貴族は嘲笑する
しょせん、愚かな暴徒どもだ!
リエンツィが奴らを騎士にしたのだ
リエンツィを奴らから奪えば、奴らは本来の群衆に戻る!
民衆は怒り狂う
集まれ!集まれ!急いでこっちに来い!
石を持って来い!たいまつを持って来い!
リエンツィは呪われた。奴は破門された!
奴は俺たちを裏切った!! リエンツィは問いかける
言ってくれ、誰が諸君らを偉大で自由にしたか?
私が自由と平和を与えたとき
諸君らは私に歓喜して挨拶してくれたではないか
あの歓喜のことをもう思い出してくれないのか?
もう私の名を呼んではくれないのか?
誰もリエンツィに耳を傾けようとしない
……何ということだ!これが人間なのか?
人間とは、これほど惨めで無価値なのか?
私はお前たちを呪うぞ!
こんな世界は呪われ、破滅するがよい!
腐敗し、干からびた世界!
お前たちがそれを望んだのだ! パチパチパチパチパチパチパチパチ
彡(゚)(゚)/「ワイのすべてはここから始まったんや!」
(´・ω・`)「…うん、初めてリンツでこの劇を見た時も……」
(´・ω・`)「君はそう叫んだよね」
(。゚ω゚)「え!?アドルフ?」
慌てて横を振り向くと怪訝そうな顔をした老年の紳士が
(◦灬⦿)ジトォーと僕のことを凝視していた
(;´・ω・` ) .。oO(あれ?この人…)
どこかで見たことがあるような気が…… (◦灬¯)「ゴホン!」
(;´・ω・` )「す、すみません!」
(;´・ω・` )「あまりに感銘を受けてしまってその一人ごとを……」
(;´・ω・` )「……本当にすみません」
なんだ空耳か… 演目がすべて終わり僕は見送りの最前列に立っていた
眼の前には黒光りのベンツがゆっくり通りすぎようとしている
こんな車に乗れるのは要人に決まっている
そしてそれがアドルフ・ヒトラーだと誰でも知っている
誰もが歓声を上げて彼を送り出そうとしていた
僕も皆と同じように手を振った
すると、アドルフがきづいたようだ
運転手に何か合図をだしている キキッ
車が止まった
ウィーン
窓が開いた
彡(^)(^)つスッ
微笑んだアドルフが握手を求めてきた
つ⊂ 彡(^)(^)「ほななクビチェク、また!」
(´・ω・`) .。oO(うん、またね アドルフ)
つ ⊂
ウィーン
窓が閉まった 一九三九年 第二次世界大戦勃発
一九四〇年 ドイツ・イタリア・日本三国同盟締結
一九四一年 ドイツ ソ連に宣戦布告
一九四三年 スターリングラードの戦い ドイツ敗北
一九四四年 連合国軍 ドイツに侵攻
一九四五年 アドルフ・ヒトラー自殺
彡(゚)(゚)
┏┛墓┗┓
第二次世界大戦終結 終戦後、僕はアドルフ・ヒトラーの関係者として逮捕された
「あなたはヒトラーから何かもらいましたか?」
(´・ω・`)「いいえ」
「何も?」
(´・ω・`)「はい」
「お金も?」
(´・ω・`)「はい」
「食糧などは?」
(´・ω・`)「もらってません」
「車は?家は?」
(´・ω・`)「もらってません」
「美女を紹介されたりは?」
(`・ω・´)「ありえません」 「何かに招待されたことは?」
(´・ω・`)「ワーグナーの祝賀劇に招待されました」
「ヒトラーはあなたを歓迎しましたか?」
(´・ω・`)「はい」
「よく会いましたか?」
(´・ω・`)「ほんの数回です」
「どうやって彼に会ったのですか?」
(´・ω・`)「僕から会いに行きました」
「その時、ヒトラーはあなたのそばにいましたか?」
(´・ω・`)「はい、すぐそばにいました」
「二人だけで?」
(´・ω・`)「二人だけです」
「警護もなしで?」
(´・ω・`)「警護もなしです」
「それならあなたはヒトラーを殺すこともできたでしょう?」
(;´・ω・` )「…はい、できたと思います」 「最後にひとつ聞きます」
ではなぜ、あなたはヒトラーを殺さなかったのですか?
彼を殺していれば…あなたは英雄になれたのに
それは…
僕とアドルフは友人だから
でも…こんなこと言えるわけがない……
彼は戦勝国の人々から
そして……
あんなに熱狂していた国民からも
史上最悪の独裁者と称される極悪人となっていた
そんな男を友だなどと口が裂けても言えるはずがない ………
………
……でも
あの時、いやあの時、それともあの時
それとも……あの時
アドルフにちゃんと向き合っていたら
アドルフに君は間違っているって言えたなら
激怒するアドルフに言い返してたら
そしてとことんアドルフと言い争ってたら
どうなってたんだろう…
二人がおじいちゃんになっても一緒に劇場に足を運んでいたのかな?
そして芸術について語り合うんだ!
ボクが聞き役でアドルフが話す役なのはきっと変わらないんだろうけど ……
まあでも、そんなことできるわけないんだけどね
言えるわけないじゃん!
だって、あのアドルフ・ヒトラーにだよ!!
だから何を思ったって
過去は変わらないし、未来も変えられない
彼が許されない罪を犯したことも変わらないし、変えられない
……
でも……
ボクとアドルフが友達だってことも変わらないし、変えられない
それに……アドルフと比べたら目の前にいるこいつなんて
全然、怖くない!
だからアドルフには言えなかったけど
今ならはっきりと言える (´・ω・`)「そんなの決まってるだろ」
(´・ω・`)「ヒトラーはボクの友達だからさ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています