駅前で下着姿になった女性が、公然わいせつ容疑で現行犯逮捕されたと報道され、ネット上で話題になっています。小さな事件だと思いますが、「昔なら下着姿の人けっこういたよ」ということで、話題になっているようです。
JR静岡駅前の広場で衣服を脱ぎ、ブラジャーとパンツだけの姿になったとして、静岡中央署は8日、公然わいせつの疑いで、静岡県沼津市に住む無職の女(43)を現行犯逮捕した。「暑かったので服を脱いだ」と供述している。

ネット上の声
「下着姿で公然わいせつ罪になるんだ」
「下着姿でアウトなのか?日本の基準はそんなんだっけ?」
「なぜ全裸でもないのに逮捕なのだろう? 1970年代なら、暑い日に上半身が裸のお婆さんが当たり前のように道を歩いていたけれど。」
「昔、京阪電車で、おばちゃんが上半身裸になって乳出して汗拭っていたの見たことある。」
「子供の頃地元の近所とかパン一でウロついてるおっちゃんたくさんいたけどなあ。あれもほんとはダメなのかな。」
「水着だったら多分よかったんだよね…」

わいせつ(猥褻)とは、国語辞典的には「性に関する事を健全な社会風俗に反する方法・態度で取り扱うこと」です。公然わいせつ罪とは、公然と人目に付く場所でわいせつな行為やわいせつ物を露出することです。

駅前で全裸になったり、公衆の面前で性行為をしたりすれば、公然わいせつ罪でしょう。ただし、何がわいせつなのか、何が公然わいせつ罪になるのかは明確な定義はありません。わいせつは、時代により、社会により、状況により変わります。ここでは、法律の問題ではなく、心と社会の問題として考えましょう。今回下着姿で逮捕された報道を受け、「昔は下着姿の人なんかいたよ、本当はだめだったの?」というツイートが見られます。これは、時代と社会と状況の違いによるのでしょう。たしかに昔は、おじさん、おばさん、おじいちゃん、おばんちゃん、そして子えっショックども達。けっこう下着姿で歩いていたり、縁側に座っていました。昔は、これでも良かったのでしょう。数十年前の田舎なら、田んぼの横でお尻を出して放尿しているおばあちゃんなどもいたそうです(昔でもブラとパンツ姿の40代女性を駅前で見ることはなかなかなかったと思いますが)。
裸に近い格好や、下着姿がどの程度まで許容されるかは、時代と社会と状況によって違います。男性でも下着のパンツ一枚で駅前を歩いていれば、警官が来そうです。
でも、祭り会場でふんどし姿になっている男達は認められます。まあ、力士達の姿も認められますからね。ニューヨークでは、ズボンやスカートをはかずに下着のパンツ姿で地下鉄に乗るイベントもあります。「とにかく明るい安村」さんも、裸芸の「アキラ100%」さんも、テレビにでています。ただし、裸芸に対しては「卑わいだ、テレビに出すな」という意見もありますが。

女性が胸を出すことは普通は認められませんが、赤ちゃんへの授乳だと許容さえることはあるでしょう。これはこれでまた、多くの意見がありそうな話題ですが。女性みんながひじもひざも出していない社会で、ミニスカートやノースリーブの服を着れば、とても変に思われるでしょう。髪を人前で見せることは恥ずかしいこととされる社会もあります。時代や社会によって、みんながそうしていることはOK、とても少数派だとだめということです。

○許容範囲ならOK?
たとえ少数派であっても、許される範囲内ならOKです。一時期、女性のファッションでおへそを出す服が流行りました。流行ったとはいえ、少数派です。ただ、この程度であれば社会は認めたのでしょう。逮捕された話は聞きません。背中が大きく出ている服も同様です。

これが、お尻丸出し、おっぱい丸出しならどうでしょうか。いくらファッションだと主張しても、認められないでしょう。社会はまだ、そこまでは許さないからです。

世の中全体がその価値を認めていれば、逮捕されません。新しい活動で、本人は価値があると主張しても、世間や警察や裁判所が認めなければ、わいせつとなるのでしょう。裸芸も、お笑い芸として価値が認められるかどうかなのでしょう。

*今回逮捕された女性は、本当に暑くて服を脱いだのか、それとも何か心のバランスをくずして服を脱いでしまったのか、わかりません。これが男性であれば、社会的生命を失っていたかもしれません。社会の常識を知ること、そして心の健康を守ることも、大切です。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f4fee89f4213a303ab48da0d352472012ae14ae5
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