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21世紀初頭。金星は小惑星(巨大氷塊)との「大衝突(グレート・バンプ)」によって環境が激変(二酸化炭素の大気が宇宙空間に吹き飛び、表面温度が下がり、氷塊が溶けて海を形成し、地軸の傾きと自転速度が変化)し、人類の生活可能な惑星となっていた。金星の植民が開始されて半世紀余り、金星は強大な軍事力を誇る“イシュタル”と肥沃な国土に恵まれた“アフロディア”の二大自治州に別れ、対立を深めていた。
生きる意味を見いだせないままバイクゲームに興じていたアフロディアの少年ヒロは、軍の技術士官シムスにスカウトされる。やがてイシュタルの重戦車部隊がアフロディアに侵攻、戦闘バイク部隊“HOUND”の一員として出撃したヒロは、大きな歴史のうねりに呑み込まれていく。
終戦後、イシュタルでは現執政(コンスル)レーベンドルフと軍司令ワルデマルとの覇権争いが激化する。しかし野望の男ラドー少佐の陰謀により両者共に死亡、彼と結託したレーベンドルフ未亡人グートルーネが実権を握る。陰謀に巻き込まれ左遷された親衛隊の見習い士官マティウ准尉は、軍を離れて得た仲間達と共にラドー少佐に戦いを挑む。