蝉時雨 野晒しにされた鬱屈は
汗ばんで 見窄らしいな濡れ鼠

不安定な足場 手足の竦む日々
いつも罵声を浴びるよ濡れ鼠

今日も 懸命に働くが故の徒労
家路の 夕立に打たれ 濡れ鼠

酒浸り 肴もなしに 酔いどれ音頭
いつかの幼い 友の幻想 濡れ鼠

背中を押され濡れ鼠

海にでも行こうか濡れ鼠