U149メンバーの輝きを集約した最終話ライブ曲「キラメキ☆」
――そしてTVアニメ最終回となる第12話の劇中歌として制作されたのが「キラメキ☆」。物語のクライマックス、U149がステージデビューするライブシーンで歌われた楽曲です。

渡部 これもコンペだったのですが、「よりみちリトルスター」を一曲入魂で制作しつつ、その合い間に「アイム・ア・リトル・プリンセス~お星さまにお願い~」の歌詞ができるのを待っていたくらいの時期に、「最終話ライブ曲のコンペがあります」というお話をいただいて、「え!?まだあったの?」と思って(苦笑)。
「よりみちリトルスター」でここ何年か分のコンペに対する体力をつぎ込んでしまったところに、さらにもう1曲どうしても獲りたい曲があると。自分の身と心を立て直すのになかなか苦労しました。

――それでも絶対に書きたかったわけですね。楽曲のテーマとしては、どんなオーダーがあったのでしょうか?

渡部 このときは珍しく、監督から具体的なリファレンスの楽曲が示されていて。それを聴いたときに、これを「アイマス」でやるとしたら「マスピ(M@STERPIECE)」を使うしかないな、というようなイメージの楽曲だったんですよ、自分的には。
そのときから自分の頭の中に「M@STERPIECE」しか鳴らなくなってしまって(苦笑)。それを拭い去って全然違うものを作ろうと思ってもどうにもならなかったので、3日目くらいに考え方を変えて、自分にとっての「M@STERPIECE」を作ろうと思ったんですね。
別に似ちゃってもいいじゃんって思って。イントロが「M@STERPIECE」に寄せたものになっているんですけど、あのイントロが出来たときからスコン!と1コーラス出てきたんですよ。のちにAメロは変えちゃうんですけど、これはいけるな、と思った瞬間があって。あとでバックアップファイルを見ると、メモ書きみたいな感じでしたが、ほぼ3時間くらいで書いたみたいでした。

――そこから調整されて完成形に仕上げていったと。

渡部 はい。いわゆるサビ始まりでインパクトを出すやり方は避けたくて、でもいきなりAメロに入るだけだとインパクトが足りないので、最初に「よりみちリトルスター」のイントロのフレーズを歌う形にしました。
最終回にちょっとリフレインで思い出してもらえたらいいなと思って。そうしたら、作詞の高瀬(愛虹)さんが、その場所に“キラキラ”という歌詞を当ててくれたんですよ。自分は元々、ここは「ラララ♪」とかでいいかなと思っていたんですけど。これはハマったと思って。

――“キラキラ”というワードはこの楽曲で象徴的に使われていますが、そういう経緯があったんですね。

渡部 今でこそサビに“キラキラ”がたくさん入っていますけど、実は高瀬さんの第1稿にはあまり入っていなくて。ただ最後のリフレインするサビのフックの部分に入っていた“キラキラ”がすごくキャッチーで心にすごく残ったので、「もっと“キラキラ”を入れたいんですけど、どうでしょう?」と提案したら、そこと同じメロディの部分はすべて“キラキラ”を入れてくれて。それで一気にインパクトが上がりましたね。最後のサビに入るところの転調も完全に「M@STERPIECE」そのままで。
これで(コンペに)落ちたら、もうしょうがないと(笑)。