その後ろからぴょこぴょこと早足で駆けてくるのはどう見ても女子小学生、歳を高く見積もっても中学生に見えればいい方の、陸上自衛隊のコスプレをした子供だ。
口にでかい棒キャンデーを咥え、左手にポテトチップスの大袋を抱えている姿はロリコンのケがある連中には魅惑的でも、
財団の先任エージェントなどとは到底思えそうにない。

「紹介しよう。こちらがエージェント・差前、エージェント・餅月、そしてエージェント・カナヘビだ」
「よろしく頼むぜ」
「よろしくねー」
「ほな、よろしゅうな」
差前が太い濁声で、餅月がアニメ声優のような甲高い声で、
そしてカナヘビがボーイソプラノの京言葉でしゃべったのを聞いて、北大路は思った。