「女性に殴られたくらいで…」
DV被害も専用シェルターなし

「僕自身も様々な事情から“弱者男性”と呼ばれる立場だ。生活保護も受けている。支援を受けようとすると『男だから大丈夫だろう』『男のくせにそんなことで弱音を吐くな』と言われ、男であることが逆に障害となってしまう」

 冒頭のタカヒロさんと同様、過去に日本武尊氏もパートナーの女性からDV被害を受けていた。具体的にはどのような暴力を振るわれたのか。

「女性から『月に一回とあるテーマパークに連れて行ってほしい』とお願いをされていた。だが、収入的な理由で叶えられなかった。ある時、その件で彼女が急にキレ出して殴りかかってきた。私は身長180センチで身体も大きい。彼女は150センチちょっとの小柄だ。これが初めてではなかったので、僕が『ごめんなさい。もう別れてほしい』と言ったら、包丁を持ち出して『別れるぐらいなら死んでやる』と言われた。包丁を見た瞬間、すぐさま家を出て110番した」

 その後、警察と一緒に家の中に入った日本武尊氏。すでに女性は包丁を置いていた。

「私の体にアザがいっぱいあったので、警察には事情を説明した。すると、警察からは『あなたはそれだけ彼女に愛されているんだ。なかなか女性が“別れたら死んでやる”なんて言われないよ。良かったじゃない』と言われた。『いやいや見てください。アザができているんです』と言ったら『あなたは男なんだから女性に殴られたぐらいでそんなこと言っちゃ駄目だ』と言われ、警察は何もしてくれなかった」