認知症の疑いのあった男性が病院に3億円もの寄付をしたのは無効だとして、遺族が大学病院と主治医に対し、損害賠償訴訟を起こしました。

金沢医科大学に3億円の寄付をしたのは、金沢市にある東証プライム上場の機械メーカー「澁谷工業」の前の社長だった、澁谷弘利さん(死亡当時90)です。

“借金”までして…3億円の寄付

おととし1月、サウナで脱水状態となった澁谷さんは、金沢医科大学病院に入院しました。

以前から認知機能の低下が見受けられたため、入院中にMRI検査を行ったところ、大脳の萎縮が認められたといいます。

3億円の寄付があったのは入院の4カ月後、おととし5月のことでした。その5カ月後、澁谷さんは自宅で死亡しました。

遺族が病院への寄付の事実を知ったのは、この直後のことでした。

3億円の寄付は、借金までして行われたことが判明しました。寄付直後の預金残高は、およそ2億5900万円であったのに対し、借入金は4億5000万円にも上っていました。

原告訴状から:「寄付により、債務が残るような状況であえて3億円を寄付することは極めて異常というほかなく、正常な判断能力のある者の判断とは到底考えられない」


https://news.yahoo.co.jp/articles/a975c7d1b7f12dded530ad2f4d6934c13297d849