自己愛性パーソナリティ障害の症状がある人は、「3つの自己」を持っているといわれています。

・誇大化させて形成された尊大で傲慢な自己
・自分は欠陥がある人間だというイメージを持った自己
・奥底に隠れている本当の自己

この「3つの自己」がどれか一方に偏っていると、「自分は特別な人間だ!」と思い込んだり、「自分は誰よりもダメな人間だ…」と思い込んだりしてしまいます。「3つの自己」の偏り具合によって表出する人物像が異なってきます。

◇誇大な言動
・自分は才能がある特別な人間だと思い込み、それに伴った言動が目立つ
・有名人や権威のある人と知り合いであることを自慢する(知り合いである自分は特別という裏打ち)

◇他者からの評価に過敏
・恥をかいたり、屈辱感を抱いたりするとカッとなって激しく怒り出す
・ときにはその憤り(いきどおり)を超えて、ひどく落ち込み、自殺を考えだすこともある

◇他者への共感性の薄さ
・病気で入院している人のところへお見舞いに行って、自分の健康自慢をするなど相手の状況を考えない言動をする
・自らの成果や目標達成のために、友人を利用したり裏切ったりという行為をする
・わがままかつ傲慢な性格のため、あまり自分の意見を言えない友達を従えてあたかも自分が一番偉いかのように振る舞う