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ロシアが徴兵逃れ対策、ネットでの招集令状配信を合法化へ…出頭しないと免許証停止など罰則

 ロシア下院は11日、ウクライナに侵略している露軍の兵員確保を容易にするため、紙以外に電子化した招集令状の通知を合法化する法改正案を可決した。令状を受領した対象者の出国を禁止し、徴兵事務所に出頭しなかった場合の罰則を設ける。

プーチン大統領(11日)=AP
 法改正案は近く上院を通過する見通しで、プーチン大統領の署名で成立する。強権で招集逃れを防ごうとするもので、国民の反発を招きそうだ。

 タス通信などによると、紙の招集令状を対象者が直接受け取った場合に応招義務が生じるとする現行法を改正し、インターネットを使った行政システムによる招集令状の配信を認める。受領後の一定期間内に徴兵事務所に出向かなければ、自動車の運転免許証の停止や銀行ローンを組めなくするなどの罰則を追加する。

 昨年秋にウクライナ侵略の兵員を補充するために行った予備役の部分的動員では、招集令状の受け取りを避けようとする男性の出国が相次いだ。全土で抗議デモもあった。プーチン政権は大規模動員の再開に伴う反発を警戒し、40万人が目標とされる契約軍人の大々的な募集活動を展開している。徴兵逃れの対策強化は、露軍の消耗がさらに深刻化する事態に備えた動きとの見方が出ている。