救命に当たったチームの人数は最終的に41人まで増えたが、治療は困難を極めた。心肺停止状態だったため、麻酔なしですぐに開胸手術を実施。体温は通常より低く、傷の深さは心臓まで達していた。大動脈付近の血管は制御できたが、血液が凝固する力を失っていたため、血が止まらない状況だったという。輸血には2~3人分の血液に相当する100単位(約13リットル)を使った。病院に保存されていた量では足りなかったため、赤十字血液センター(同県大和郡山市)に追加を依頼した。

 懸命な治療にもかかわらず心肺機能は再開しなかった。福島氏は病院に駆け付けた妻の昭恵さんに、これまでの治療の経緯を話し、「これ以上(治療しても)難しいです」と説明。安倍氏は午後5時3分に亡くなった。司法解剖の結果、死因は左右鎖骨下の動脈損傷による失血死だった。
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