今大会の大谷は野球を楽しむ少年のように、生き生きとしている。これまでも二刀流を貫く大谷を記事の中で「野球少年」と形容することも多かったが、その心は「野球が大好きで没頭している」というものだった。だが、今はいい意味でさらに原点に戻っている。野球を始めたばかりで、ひたすら楽しくプレーする野球少年に、その姿が重なってきた。

 18日(日本時間19日)の全体練習では、ブルペンで投球練習を見ながら大笑いして両手を上げて喜び、ヌートバーとはモノマネをし合って笑った。さらに球団スタッフのビデオカメラを持って村上らを撮影。この日の練習後も、普段は応じることの少ないミックスゾーンで約7分間も思いを口にするなど舌も滑らかだった。取材中も後ろを通る選手にちょっかいをかけ、侍ジャパンでの日々を楽しんでいることがよく伝わってきた。正直に言えば、こんなにテンションが高い大谷の姿を見たことがなく、意外にも思った。

 それほど、世界一を争う明日なき戦いが刺激的なのだろう。ベネズエラ対米国戦を見ながら大谷と食事を共にした宮城は明かす。「残り2試合なので、僕とか由伸さんはもう少しいたいな、と。大谷さんは『短期決戦が楽しい』と言ってました」。エンゼルスでは入団から5年連続でプレーオフに進出できず、大舞台でのプレーに飢えていた。「(試合直前には)ワクワクだったりが出てくるかなと思います」。精神面が上向いている大谷が、大舞台で最高のプレーを見せることは間違いないはずだ。

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