21年2月23日午後7時すぎの映像には、ウィシュマさんが日本語で「タントウサーン(担当さん)」と連呼し、「病院に持って行って。お願い」と何度も懇願する様子が映っていた。バケツに嘔吐(おうと)し、「今日死ぬ」と訴えるウィシュマさん。看守は「大丈夫。死んだら困るもん。他のこと考えよう」と取り合わなかった。

 出入国在留管理庁の調査報告書によると、ウィシュマさんは21年1月中旬ごろから食欲不振や吐き気、体のしびれを訴えていた。施設に収容された20年8月に84・9キロあった体重が、21年2月23日には65・5キロに減っていた。このころはもうトイレや着替えにも介助が必要な状態だった。