予想では10億年後に銀河形成なのに
誕生から
3億年の銀河発見

ジェームズ・ウェッブ望遠鏡

ビッグバンからわずか5億年足らずの時期に天の川銀河サイズの銀河が存在すると報告された。そんな巨大な銀河が短時間で生まれるというのは、現在の宇宙進化モデルによる予想と一致しない。

ビッグバンの直後、宇宙は想像を絶する高温・高密度の粒子のスープだった。その後3分間で宇宙が膨張して冷えると、ヘリウムなどの軽い元素の原子核が形成され始めた。40万年後には宇宙は十分に冷えて、最初の原子が登場した。そして宇宙が約1億歳になったときに、初代星が誕生するための条件が整った。

巨大な火の玉のような初代星は、目に見えない暗黒物質によって集まり、原始銀河を形成した。やがて原始銀河どうしが重力の影響で相互作用し、合体して大きな銀河になった。初期の混沌とした宇宙から現在のような秩序ある宇宙への移行には約10億年かかったというのが、現在のモデルの予想だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC216YU0R21C22A2000000/