「私」は、遠戚の少女シモーヌが猫にやるための牛乳の入った皿に尻をつけるところを見せつけられたことをきっかけに、奇妙な性的関係をもった。 ある日、シモーヌと同じ町に住む少女マルセルが二人の戯れを見てしまうが、逆にシモーヌによってその遊びに巻きこまれた。 その後、シモーヌはマルセルをパーティーに呼び、パーティーの参加者である同年代の少年少女たちにシャンパンをふるまった。そこでマルセルはシモーヌの淫らな姿に触発され、ノルマンディ製の衣装ダンスの中で自慰をし、その際失禁してしまう。 乱痴気騒ぎの中、「私」はシモーヌの異変に気付いて衣装ダンスを開けるが、親たちが駆け付けたせいでマルセルは発狂してしまい、結果として彼女は精神病院に入院させられた。

精神病院に「私」と侵入したシモーヌは、マルセルと互いの自慰を遠くから見せ合った。その後、シモーヌと「私」は卵を使った遊びを始めた。「私」は「放尿する」という言葉から何を連想するのかシモーヌに尋ねると、彼女は「抉りだす」と答え、目や赤いもの、太陽をカミソリで抉り出すと答えた。さらに彼女は卵は子牛の目玉のようで、卵の形は目玉と同じであると話し、言葉遊びを続けた。 シモーヌと「私」は、マルセルを入院先の精神病院からシモーヌの自宅へ連れ出した。そのさいマルセルから枢密卿から自分を守るように尋ねられる。「私」が枢密卿は誰を指すのか尋ねると、マルセルは「自分を衣装ダンスに閉じ込めた、ギロチン係のお坊さん」と答えた。「私」は衣装ダンス事件の際、赤いパーティー用の三角帽子をかぶり、けが人と性交したせいで血だらけになっていた自分の姿を枢密卿と同一視していることに気付て不安を覚えた。 「私」の不安は的中し、マルセルはノルマンディ製の衣装ダンスを見て発狂した時の状況を思い出してしまい、衣装ダンスの中で首つり自殺をした。いらだちのあまりシモーヌはマルセルの遺体に放尿し、それ以来シモーヌは精神的に不安定になった。