0012風吹けば名無し
2022/09/22(木) 15:20:39.75ID:JiY7rMysd中川「僕は……卒配してきた時からずっと、先輩のことが──」
よせ。やめろ中川。
そこから先は言うんじゃない。
「──好きだったんです」
中川の気持ちにはずっと以前から気付いていた。
わしも中川のことは好きだ。しかし……。
……わしは……わしは、部長の女なんだぞ……。
「先輩……」
ゆっくりと、しかし着実に唇が近づいてくる。
受け入れてはだめだ。拒絶しなければ。
──なのに、なぜわしは受け入れてしまったのだろう。
わしは目を瞑ってしまったのだ。まるで現実から目を背けるかのように……。