信長は初めて黒人を見たこともあって、最初は体に墨を塗っているのではないかと考えた。今まで見たことがなかったのだから、いたしかたないだろう。そこで、信長が弥助の体を洗わせたところ、いっそうその肌は黒光りしたという。

 光秀は弥助の処分について、黒人(弥助)は動物のようなもので何も知らず、また日本人でもないので殺すことはない、と明言した。結局、弥助は南蛮寺に送られ、命だけは助かったのである。