厚生労働省が6日発表した7月の毎月勤労統計調査によると、一人あたりの賃金は物価変動を考慮した実質で前年同月比1.3%減少した。マイナスは4カ月連続だった。エネルギーや食品の価格高騰に賃上げが追いつかず、賃金の目減りがとまらない。この状況が続けば家計の購買力が低下し、景気の下振れ圧力となる。
5人以上働く事業所の調査で、名目の一人あたり現金給与総額は1.8%増の37万7809円と7カ月連続で伸びた。基本給にあたる所定内給与は1.2%増えた。
伸びは物価上昇のペースを下回る。賃金の実質水準を算出する指標となる物価(持ち家の家賃換算分を除く総合指数)は7月に3.1%上がった。上昇率は4カ月連続で3%前後に達している。
現金給与総額を就業形態別に見ると、正社員などの一般労働者は1.7%増の50万828円、パートタイム労働者は3.0%増の10万6167円だった。産業別の伸び幅はコロナ禍からの持ち直しが進んできた飲食サービス業(13.0%増)が最も大きかった。生活関連サービス(5.7%増)、学術研究(5.4%増)が続いた。