現場の女性清掃スタッフを最も苦しめているのが、
トイレの男性利用者による、女性スタッフへの言動だ。

「トイレをされているときに、私たちが横で作業をしていると、
こちらをチラチラ見たり、見せつけるようにチャックを下ろしたり、
女性の前で用を足すなんて、と笑いながら入ってくる人もいます。
こちらはあくまで仕事として、下を向いて“失礼します”と、
黙々作業をするだけ。みっともなくて恥ずかしくて悔しくて…」

人手不足のためなのか、稀に若い女性スタッフが、
男性トイレの清掃をするという事態も起きている。
神奈川県内にある大規模商業施設に常駐する
脇山佳奈さん(20代)は、ある経験をして以降、
恐怖で男子トイレの清掃ができなくなった。

「作業をしていたところ、若い男性数人が入ってきて
用を足しながら“おばさんに見られても興奮しない”
等と言って笑いながら、こちらを見ていました。
思わず顔を上げて、男性達の方を見てしまったんです。
そしたら、意外と若いじゃん、得したな、
と更に笑いが起きました」(脇山さん)

馬鹿にされ、そしてセクハラめいた言動まで投げかけられ、
恐怖と恥ずかしさで足がすくんだと振り返る脇山さん。
その男性達は、施設内に入る大手企業の支店に所属する
営業社員らであることも知っている。普段は忙しそうに、
そしてまじめそうにバリバリ働いている彼らが、
トイレの中ではあのように変貌してしまうのかと思うと、
怒りより悲しさがこみ上げてきたと話す。
こうした傾向は、温泉旅館や健康ランド、
今はやりのサウナ施設でも散見されるようだ・・・・