大人用おむつが、バカ売れするワケ
〜市場規模1600億円、高齢者介護は壮絶な闘い〜

大人用紙おむつのマーケットが伸びている。業界最大手である、ユニ・チャームの大人用おむつの売上高は、前2013年3月期に600億円を突破。初めて子供用おむつと逆転した。ユニチャームによれば、国内市場全体をみても、10年に子供用1530億円:大人用1440億円だったおむつ市場が、12年には子供用1390億円:大人用1590億円と、ついに子供用を追い抜いてしまったのだ。

「ライフリー」ブランドで、大人用おむつ市場のシェア過半数を握っているのが、ユニ・チャームだ。同社の製品が飛躍したきっかけが、1988年に開発した「尿取りパッド」だった。おむつそのものでなく、パッドを交換する2ピース方式を取り入れたことがユーザーに支持された。大人のおむつ交換は、1日平均6.6回で、健常人のトイレの回数とほぼ同じ。2ピース方式は、コストを安く抑えただけでなく、介護する側の負担を軽くするのに貢献したのである。