奈良の子鹿80頭、一斉に「公園デビュー」

 奈良市の奈良公園にある鹿の保護施設「鹿苑(ろくえん)」で22日、この春以降に生まれた子鹿が母鹿とともに一斉に放たれ、「公園デビュー」した。

 鹿苑を運営する「奈良の鹿愛護会」が毎年、妊娠した母鹿などを保護しており、今年は鹿苑内で126頭の子鹿が誕生した。

 午前11時、同会職員が鹿苑の門を開けると、母鹿の後を追い、80頭の子鹿が公園に向けて一斉に走り出した。元気よく跳びはねる子鹿がいる一方、警戒心が強く、なかなか鹿苑から出てこない子鹿も見られた。

 同会の山崎伸幸・事務局長は「子鹿は、近づきすぎると驚いて道路に飛び出してしまい、事故につながる危険性がある。距離をとって、温かく見守ってあげてほしい」と呼びかけている。