クマムシは絶対零度で凍結されても、人間が死ぬ500倍もの放射線に晒されても、空気がない宇宙空間に10日間放置されても生き残ることができます。
地球生命は自分が住む生活環境に適応するように進化してきましたが、クマムシの驚異的な耐性能力は地球環境と比べるとオーバースペックと言えるでしょう。
いったいなぜクマムシたちは、地球では考えられない環境に適応するように進化したのでしょうか?

2016年、日本の研究者たちはクマムシは、地球上の他の動物にはみられない「Dsup(ダメージサプレッサー)」と呼ばれるタンパク質を生成しており、この「Dsup」にはDNAに結合して有毒物質から保護する機能がある可能性が示しました。
さらにクマムシの遺伝子から「Dsup」の遺伝子を切り出して人間の細胞に加えたところ、人間の細胞も放射線や有毒物質に対して高い耐性を持つように変化したことが示されました。
1773年からはじまったクマムシの研究は着々と進歩し、250年かけてヒト細胞に対して応用できる域に到達しました。
もしこのまま研究が順調に進んでクマムシの驚異的な耐性を人間やその他の生物にも完璧に付与できるようになれば、地球生命は宇宙環境にも適応できる、新たな段階に到達するかもしれませんね。
https://nazology.net/archives/112075