日本の核家族化が話題になって久しい。厚生労働省によると、三世代世帯数の割合は全世帯数の中で、2015年は6.5%となっている。30年前の1986年は15.3%だったことからその進行具合がうかがえる。一方、伝統的に核家族社会といわれるイギリスでは、日本とは逆に三世代同居が増えてきている。

国家統計局によれば、三世代世帯数は1996年の16.7万世帯から2016年の32.3万世帯まで増加している。

 テレグラフ紙によれば、三世代世帯が増えているのは、不動産の高騰や高い介護費対策など、金銭的な理由によるものだという。バークレイズ銀行が行った調査では、3分の2の回答者が三世代同居は高齢化問題の解決策になりえると考えている。回答者のうち半分以上が引っ越しの必要があるだろうと考えていて、5分の1は増築などの必要があると考えているので簡単ではない。

 それでも親夫婦の資金が加われば、これまでは手に届かなかった物件を購入するのも夢ではなくなる。不動産会社のアドリアン・アンダーソン氏は、「家族全員のドリームシナリオではないかもしれません。けれどもケアの必要な老いた両親の存在と世帯コストの上昇から同居を始める家族を、私たちはますます見るようになってきています」と語っている。
https://newsphere.jp/national/20170707-3/