世間というものは、どんなに憎まれた人間でも、死んだ途端に褒めるものである。「悪人」も「偉人」になってしまう。
これでは、間違った情報が上書きされてしまうではないか。死んだ後も、生前と同じ悪口を言い続けるべきなのだ。

三島由紀夫