連邦捜査局は27日、犯罪統計報告書を発表した。それによれば、昨年の殺人件数は21,570件と前年に比べて29.4%増加した。この数字は1960年代に捜査局が犯罪統計記録を作成して以来、最も大幅な増加率だ。殺人事件は主要都市に限ったものではなく、あらゆる地域で広範囲に発生している。

最近、「学位の男女格差」が問題になっている。1980年以降、大卒者の数は男性よりも女性のほうが多い傾向が続いていたが、この傾向は直近の5年間で加速し、過去最大となっている。最新のデータによれば、大学に通っている学生の男女比は4:6だ。男女の教育格差はさらに拡大すると言われている。問題なのは白人の男子学生数が減少していることだ。

 知識社会が高度化するにつれ、仕事に必要とされる学歴や資格のハードルが上がり、高卒で中産階級の賃金を稼ぐことが至難の業となった。非大卒者は不安定な社会のなかで大きな経済的打撃を受けやすい。結婚相手が見つけづらくなり、地域社会も衰退している。現在では「学歴による生きがい格差」の弊害が顕著になっているのだ。そのとどのつまりは絶望死だ。

 近年、薬物や自殺、アルコール中毒などによる死者数が急増して問題になっているが、この「絶望死」の多くを占めているのは、生きがい格差の谷に落ちた非大卒の男性だと言われている。この問題は社会全体で取り組まなければならないのに、助けを必要としている白人男性への支援は乏しいままだ。

 また、「政治的な意見の不一致が理由で友情が終わったケースが増加している 」ことが最近の世論調査で明らかになっている。負け組たちの「嘆き」を受け止める政治土壌がなくなれば、彼らは暴力的な手段を用いて自らの怒りを表現する以外に方法はない。自らの民主主義の失敗を素直に認め、負け組たちを社会に再び迎え入れない限り、米国で国内テロの脅威がなくなることはないのではないだろうか。
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