ツイッターで過去に投稿された自分の逮捕歴が閲覧できる状態になっていて、就職活動に支障が出たなどとして、男性がツイッター社に削除を求めた裁判で、最高裁判所は「逮捕から時間がたっていて公益性は小さくなっている」などとして、今回のケースはプライバシーの保護が優先すると判断し、削除を命じる判決を言い渡しました。

2012年に建造物侵入の疑いで逮捕された男性は、略式命令を受けて罰金10万円を納めましたが、その後もツイッターで名前や容疑が分かる逮捕時の報道を引用した投稿が閲覧できる状態になっていて、就職活動に支障が出たなどとしてツイッター社に削除を求めました。

過去の逮捕歴に関するネット上の情報の削除をめぐっては、最高裁判所が5年前、検索サイトの「グーグル」に関する決定で、情報を社会に提供する自由よりプライバシーの保護が明らかに優先される場合には削除できるという考え方を示していて、ツイッターにもあてはまるかどうかが争点となり、1審は削除を認めた一方、2審は削除を認めませんでした。

24日の判決で、最高裁判所第2小法廷の草野耕一裁判長は「逮捕から時間がたっていて公益性は小さくなっている」などとして、今回のケースはプライバシーの保護が社会に情報を提供することより優先すると判断し、2審判決を取り消し、投稿を削除するよう命じました。

4人の裁判官全員一致の判断です。

逮捕歴に関するツイッターの投稿の削除をめぐり最高裁が判決を言い渡したのは初めてです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220624/k10013686711000.html