北京冬季五輪でかかった費用160億ドル(約1兆8,400億円)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f1dbb016b626b2fe605531f7116da455341638ec

中国は2022年の北京冬季五輪について、「低コスト・高効率」を掲げて大会を運営すると公言したが、実際に当初の計画よりも5倍以上の費用がかかったという指摘が出た。

米ウォール・ストリート・ジャーナル(以下、WSJ)は、政府調達の公告や建築記録、関連省庁と地方政府の公開文書などを総合的に分析した結果、中国政府が今回の五輪で少なくとも160億ドル(約1兆8,400億円)を使ったことが推定されると、19日(現地時間)に報じた。

中国は2014年の大会誘致過程において、国際オリンピック委員会(IOC)に過去の他の冬季五輪よりもはるかに少ない39億ドル(約4,490億円)を支出すると明らかにしていた。2008年に開かれた北京夏季五輪の施設を再活用するという点が評価され、同じく開催候補地として競争していたカザフスタンのアルマティを押さえて、最終的に開催国に選ばれた。

北京冬季五輪組織委員会は、習近平国家主席が言及した「簡素だが、安全でエキサイティングなオリンピック」を強調してきた。

中国は実際に今回の冬季五輪で、2008年の夏季五輪で使用した施設を5か所再活用した。しかし、少なくとも10か所にわたる施設が新たに建設されたことが分かった。WSJは今回の冬季五輪施設と関連した超過支出だけで8億ドル(約920億円)を超えると推算した。

また、北京市と民間パートナーは、施設の新築まはた改修に23億ドル(約2,650億円)を投入した。中国が予算よりもはるかに多くのお金を支出したのは、そもそも最初から間接費用を含んでいなかったためだとWSJは指摘した。

中国は大会が行われる北京と河北省張家口を結ぶ高速列車と高速道路を建設するためにも120億ドル(約1兆3,800億円)を支出するなど、計130億ドル(約1兆5,000億円)以上の間接費用がかかったとWSJは伝えた。

このほかにも新型コロナウイルスの防疫措置だけで少なくとも6,800万ドル(約78億円)という予想外の費用が発生したことが把握された。また、当初1億ドル(約120億円)以上と予想されていた競技チケットの売上も販売ができなくなったため、結果的に費用だけが膨らむ五輪となった。