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 アピチャイは2019年8月4~6日の間、バンコク・バーンケー区にある自身の家でワリンソーンさんを監禁し、拷問と暴行を加えて、死に至らしめた後、共犯者とともに穴を掘って、遺体を埋めたとされる。アピチャイは遺体を埋めて隠蔽したことを自白したが、他の容疑は否定した。しかし後に、ワリンソーンさんを襲い、激昂して彼女を死に至らしめたことと、関連する事件で自分が加害者であることを認めた。

 裁判所は、アピチャイがワリンソーンさんの頭と体を殴打するために鉄の棒を使用したという証言があったと述べた。さらに、アピチャイがワリンソーンさんの手と足首を縛って、彼女を自宅にある金属製の棺の中で眠らせたとした。一方で、ワリンソーンさんがアピチャイとの関係を解消して夫のもとに戻りたいと言うのを聞いて激昂したというアピチャイの主張を却下した。

 警察はアピチャイの所有地でワリンソーンさんの遺体を発見した。遺体は大きなビニール袋に入れられ、裏庭に埋葬されていた。これ以外にも、アピチャイによって殺害されたとみられる女性の遺体がいくつも発見された。

 昨年1月16日、ダイバーチームが17~18歳の少女のものと思われる人間の肋骨28個と髪の毛を池から回収した。翌日、警察はさらに288個の人骨とダンベルが入った袋を池から引き上げた。23日には、30個の人間の骨片が、棺の中に発見された。警察は、これらの人骨がワリンソーンさん以外の少なくとも2人のものであるとみている。

 アピチャイはワリンソーンさんの遺体の隠蔽、銃の違法所持、メタンフェタミン錠剤の所持で起訴され、昨年3月18日に麻薬と銃器の違法所持で懲役10年5カ月の刑が下された。さらに12月30日には銃器を使用したレイプで11年4カ月の刑を、さらに今年1月25日には麻薬の違法所持などで懲役25年と750,000バーツ(約260万円)の罰金を宣告された。

 少なくとも3人の女性を殺害したとみられるアピチャイは、1983年に未成年の少女を殺害し、遺体を解体して隠した父親の息子である。この父親は釈放された後、射殺された。父親が父親なら、息子も息子である。アピチャイには刑務所の中で一生を終えてもらいたい。