https://www3.nhk.or.jp/news/special/jiken_kisha/kishanote/kishanote55-2/
パトロール中の警察官は
雪だまりにはまっていた軽自動車を見つけた。
シートは後ろに倒され、
母親と幼い2人の子どもが川の字で横たわっている。
近くに置かれているのは、火のついた練炭だ。

2度の離婚を経た彼女は、
シングルマザーとして幼い子ども2人を育てながら飲食店で働き、
生計を立てるようになった。

事件の1年ほど前までは、
週6日勤務ということも珍しくなかったという。

しかしその職場で今度は人間関係のトラブルに巻き込まれ、
数少ない理解者だった同僚の退職を機に孤立を深めていく。

新型コロナウイルスの影響で収入も減っていった。
介護の仕事をしている母親からは、
コロナへの感染不安で「家に来ないでほしい」と言われ、
頼ることはできなかった。

だんだん出勤回数は少なくなり、事件の2か月ほど前に退職。
周囲とのつながりはさらに希薄になった。