ヘイおまちっ!

https://i.imgur.com/Stk48Ag.jpg

ウィリアムズ博士はサナギを半分に切って、サナギが傷ついた場合、どういう具合に変態に影響するかを調べた。
比較のため彼はまったく同じ年齢の4匹のサナギを使った。
@は完全なサナギである。
Aは半分に切って、それぞれの断面にプラスティックをかぶせた。
Bは切り離したサナギの前後を、プラスチック管で連結したもの。
Cは前後を連結してあるが、管のなかには可動の球が入れてあり、両者の間に組織が移行しないようにしてある。


1カ月後の結果
1カ月後に実験は終わった。
@は普通に変態し、ガとなった。
Aは前半の部分だけが変態し、後半部はそのままだった。
Bは傷が回復し、ホルモンが流れるように管のなかに組織が橋渡しされて、前半部も後半部も変態を起こした。
Cは可動の球が組織の発達をさまたげて変態が起こらなかった。
このような実験結果からウィリアムズ博士は、サナギの傷は変態する前に、回復したにちがいないと結論をくだした。


死へのはばたき
実験の最高潮である死の飛行。
前とうしろの両部分とも変態したBのサナギは羽化してガとなり翅を広げて飛び出そうとした。
しかし、プラスティック管内で発達した弱い組織はすぐに切れ、ガは地に落ちて死んだ。