マンションの内見中に不動産会社の69歳の女性に性的暴行を加えようとした罪に問われた36歳の男に対して、千葉地裁は懲役8年の有罪判決を言い渡しました。

千葉市の無職、林成晃(36)被告は、去年4月、千葉県東金市のマンションで内見のため部屋を案内していた不動産会社の69歳の女性に性的暴行を加えようとして押し倒し、果物ナイフで胸を切るなどしてケガをさせた強制性交等傷害の罪に問われています。

これまでの裁判で、検察側は、懲役10年を求刑。一方、弁護側は、「林被告は幼少期に両親から虐待を受けて、母親を求める過大な欲求が募り、母親と同じくらいの年齢の女性を狙ってしまった」として情状酌量を求め、懲役6年が相当だと主張していました。

きょうの判決で千葉地裁の守下実裁判長は、「林被告は、ナイフを見せて脅せば、アダルトビデオのように被害者が性交に応じると考えていたが、その通りの反応ではなかたっため、強制性交は未遂に終わった」「検察側が主張するように、極めて危険かつ粗暴な犯行であるとまでは評価できない」として、弁護側の主張を一部、認めました。

そのうえで、林被告が今回の事件以前にも、マンションの内見を装って母親の年齢に近い女性を狙う同様の事件を2回起こし実刑判決を受けていたことについて、守下裁判長は、「犯罪を繰り返さないために治療を受けていたにも関わらず、犯行直前は治療が疎かになっていた」と指摘。

「今後もストレスをためると制御できなくなる可能性があり、再犯の恐れが高いことは否定できない」として、懲役8年の有罪判決を言い渡しました。

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