国民民主、1人10万円の「インフレ手当」 参院選の公約発表、家計支援を強調



 国民民主党は20日、夏の参院選公約を発表した。長期化する新型コロナウイルス禍に加え、ロシアのウクライナ侵攻を背景とした資源高や円安による物価上昇で打撃を受ける家計への支援を強調。全国民に一人一律10万円の「インフレ手当」を支給するほか、児童手当の拡充や「教育国債」の新規発行で負担を軽減させる考えを打ち出した。
 賃金上昇が物価上昇を実質的に上回るまでの間、消費税率を5%に引き下げる。直近の全国平均で時給930円となっている最低賃金は、全国一律1150円以上に早期に引き上げる。児童手当は親の年収にかかわらず18歳まで一律で月1万5000円を支給する。高校までの教育無償化も掲げた。財源となる教育国債は年5兆円を見込む。
 新型コロナ対策では、司令塔としての役割を担う日本版CDC(疾病対策センター)を創設。安全保障政策では、抑止力強化と反撃力整備を掲げ、必要な防衛費を増やすと強調。安全基準を満たした原発の再稼働を進め、古い原発は次世代炉に建て替える。
 改憲を巡っては、近く発行する公約集に別項を設け、災害や感染症の拡大時に議員任期の延長を特例的に認める緊急事態条項を創設する必要性を訴える方針。
 玉木雄一郎代表は記者会見で「昨年10月の衆院選と違うのは(物価高騰と景気減速が同時に進む)『スタグフレーション』に陥りつつあることだ」と指摘し、公約で掲げる「積極財政」への転換に支持を求めた。(柚木まり)