■誤送金した自治体の担当者が責任を問われることも

 過去には、大阪府寝屋川市が993世帯に、福島県天栄村は375世帯、茨城県取手市は2世帯に二重に給付金を振り込んでいたことが明らかになっている。法律的には、振込先の住民が返還を拒否したままの場合、誤送金した自治体の担当者に責任を問うことも可能だ。

「一般企業でも、取引先などに誤送金をして返還してもらえなかった場合、社員に弁償を要求するケースは少なくありません。ただし、担当者1人に責任を問うのは難しい。指示書を見ながら振り込んだなら、指示書の作成者にも責任の一端がありますし、監督する上司にも責任がある。担当部署全体に会社から請求された事例はありますが、それでも故意ではないので、全額はあり得ません。請求額は1~2割でしょう」(前出の山口宏氏) 

 今回の原資は税金だ。町民が納得できなければ、町長などを相手取って「住民監査請求」(地方自治法第242条)を起こすこともできるが、もやもやは残りそうだ。