これが公立!? 広島叡智学園が実現する「最先端の教育環境」とはー

<連載・未来をつくる学校 #1>
 激しさを増す社会の変化に対応できる人を育てるため、教育現場は変革を迫られている。画一的なイメージのある公立校も、従来の手法にとらわれず、大胆かつ魅力的な人づくりを掲げる学校が全国にある。そうした先導的な学校を4回にわたり紹介する。初回は、全寮制の中高一貫校、広島県立広島叡智学園。グローバルリーダーを育てる最先端の教育環境とは-。 (宮崎厚志)

全国から集まる子どもたち「すごく楽しい」
 瀬戸内海に浮かぶ人口約7800人の大崎上島。かつては造船業で栄えたこの島に、全国から子どもたちが集まってくる。北海道から沖縄まで、約3分の1が県外からの入学者だ。

 その1人、愛知県内に実家がある中学1年の赤穂真菜さん。小学校では仲間と協力する授業が好きだった。ただ、発言の機会が限られ、議論が深まらない不満も。対照的にここでは、ほとんどの授業がグループワークで進む。「すごく楽しい。もっと自分から行動を起こして、成長したい」

開放的でゆるやかにつながる校舎
 平屋の建築群が並ぶ校舎は、図書館棟を中心に、国語・英語を学ぶ言語棟など教科の系統ごとに分かれた教室が、開放的な学習スペースを介してゆるやかにつながる。そのスペースで放課後、多くの生徒がオンラインでの1対1の英会話に励んでいた。