病室に戻ってから数日間を慈恵病院で過ごした彼女は産んだ後も匿名を撤回しませんでした。背景には母親に知られたくないという強い怯えがあったといいます。幼い頃から母親の過干渉で自分の意見を殺して生きてきたと相談員に明かしました。

女性は、赤ちゃんのために必要ならば…と相談員の蓮田真琴さん1人だけに身元を明かして、保険証と学生証のコピーを預けました。そして「大きくなった赤ちゃんへ」と書かれた手紙も残しました。手紙には「世界の誰よりもあなたのことを愛している」と書かれていたといいます。

別れる直前、女性は職員に感謝の気持ちを手紙で残してくれました。そこには彼女の精一杯の思いが綴られていたそうです。

「無責任に産んで置いていくけど大事に思っています。赤ちゃんを産ませてくれてありがとうございます。」

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