ぷつん。

自分の頭の上でそんな音がした。

はっと振り返ると、マスオがニタリとしか表現できない淫蕩な笑みを浮かべていた。
その前歯の間に挟まっているのは、髪の毛?

ハッとして波平は自分の頭を探った。
ない。ないぞ。ワシの大事な、あの一本きりの毛が…