4月1日、ニューヨーク市。

「われわれは労働組合を結成する。もう仕事を辞める必要はない。人々が団結した時に出せる、力の典型例だ」

そう話したのは「アマゾン労働組合」のクリスチャン・スモールズ代表です。物流倉庫の従業員による投票で、
アメリカのアマゾンで初めてとなる労働組合の結成が決まりました。
そして、この労働組合結成の動きがさらに広がりを見せているのです。

組合結成を目指す理由の一つがアメリカで急速に進む物価の上昇です。3月の消費者物価指数は1年前と比べ8.5%上昇し、およそ40年ぶりの高い水準となっています。

この物流センターでは従業員の多くが時給18ドル台で働いていますが、従業員にこの時給で現在のインフレ下で
十分か質問すると「いいえ。インフレが進む中では十分ではない」と返ってきます。

さらに従業員たちが感じているのは、広がり続ける経営層との格差です。アンディー・ジャシーCEOの昨年の報酬総額はおよそ276億円。なんと従業員の 6474 人分に相当します。

「アマゾンが稼げるのは、われわれの労働があってこそ。公平な関係で、経営者は労働者を大切にするべきだ」(アマゾンの従業員)

組合側は時給を30ドルに引き上げることなど、待遇の改善を求めています。一方で会社側は「アマゾンとしては、
組合がわれわれの従業員にとって最善の策ではないと考えている」とコメントしています。

機関投資家もこうした労働問題に関心を寄せています。
アマゾン株を運用するニューヨークの公的年金は、従業員の保護が不十分として、一部取締役の再任に反対すると表明したのです。
さらに、現場にはアメリカ民主党の重鎮サンダース上院議員が訪れ、組合結成を後押ししています。

「アマゾン労働組合」のクリスチャン・スモールズ代表が、テレビ東京の取材に応じました。

「アメリカ全土から連絡を受けていて、その数は日々多くなっている。エッセンシャルワーカーとして扱われていないことに黙っていない。労働者に力を取り戻すための闘いだ」
(クリスチャン・スモールズ代表)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e97a1b08b4a15e2a2fe03c2dc9ee4583df8978d3