2022年05月01日 08時38分

自治体がコンビニに協力を仰ぎ、「公共トイレ」として住民に使ってもらう動きが広がっている。高齢者が外出を控える理由の1つに公共トイレの少なさが挙げられるが、自治体単独ではスピーディーにトイレを増やせないという事情が背景にある。

住民にとっては外出時に使えるトイレが増えることはありがたいが、果たしてコンビニ側にはメリットがあるのだろうか。長年トイレを提供してきたコンビニのオーナーに本音を聞いた。(ライター・国分瑠衣子)



●大和市、協力コンビニにトイレットペーパーを提供

神奈川県大和市は今年2月からトイレを開放する協力コンビニの募集を始めた。市が管理する公共トイレは、公園や駅など計49カ所あるが多くが公園内にある。内閣府が60歳以上の男女を対象に行った調査では、「トイレが少ない、使いにくい」ことが外出時の障害の1つになるという結果が出ている。市の担当者は「外出先でトイレが見つからないという不安を解消してもらいたい。土地確保や費用面で市単独では限界があるため、協力店舗を募っています」と説明する。

市内のコンビニは110店舗ほどだが、4月15日現在、協力店として名乗りを挙げたのは9店舗にとどまる。認定を受けた店舗は出入口などに「公共のトイレ協力店」と、住民に分かるようにステッカーを張り、市のサイトでも公開する。市は協力コンビニにトイレットペーパー200ロールを提供する。

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