縄文時代は土器に縄を押しつけて模様(縄文)としたのだが、その縄も大麻の縄だった。大麻は植物繊維の中で最も長く、しかも強い。

日本人は生まれてから死ぬまで、大麻のお世話になった。
というのは母親が子供を産むときの痛みを緩和するために、大麻の葉を食べさせることがあったからである。

生まれて初めて着せる産着には、必ず大麻の葉の模様が入っている。これも赤ちゃんが病気をせずにすくすく育つようにという願いがこめられているのだ。

神社のお祓いで、神主が振る大幣には大麻の繊維が使われている。秋の収穫の祭りにかつぐ神輿の上にも、大麻の繊維が垂らされている。

江戸時代の女性の和服には麻の葉模様があしらわれたものが多い。また、家紋に大麻の葉を使ったものが非常に多いのも、日本人と大麻の関係の深さを物語っている。

農民の衣服はほとんどが大麻の布だったし、武士も裃は大麻の布で作った。下駄のはなおも切れない大麻の紐だし、草履や座布団も大麻の布が使われた。

大麻は八穀(米、麦、大豆など)のひとつに数えられている。大麻は大豆より栄養価が高く、タンパク質や必須脂肪酸も豊富だ。