心理学者「人間には公正世界信念という善行や努力は利益をもたらす筈だという信念を抱いており、この信念が脅かされると回避・防衛しようとする
不幸な目にばかり遭っている人を見ると不幸の原因がその人に帰属していなければ公正世界信念が脅かされるため不幸な人と自分は全く別物であるという風に心理的距離を取ろうとする
一方で人間は対象との心理的距離が近いほど対象に心が存在するように感じる傾向がある
この心の知覚は目的の定立や合理的実行に係る能力に関する知覚(行為者性)と喜怒哀楽や苦痛や欲求などを表象する能力に関する知覚(経験性)の2つから構成されている
心理的距離が近いと家具や昆虫のような心を持たなさそうな対象についても心を知覚する傾向がある
心理的距離が遠いと対象が人間でも心の知覚が弱くなる傾向がある
したがって公正世界信念の維持と心の知覚の特性の結果、不幸な目にばかり遭っている人を見るとその人に対して心理的距離を取り、それによってその人を心を持った人間として扱わなくなる傾向がある」