50年以上前のバス事故のエピの方が泣けるんだよなぁ


事故の一報を聞いて、大阪からタクシーを飛ばして現地に派遣された記者が、はるばる仙台から遺体安置所に駆けつけた男性と遭遇する。
取材すると、名古屋の実家に帰省していた妻と娘2人が事故に遭遇し、一家で彼一人だけが取り残されたという。
敬虔なクリスチャンなのか、妻の遺体が入った棺を前に「神の与えた試練です」とインタビューにきわめて平静に応じていた。
くだんの記者が「ちょっと冷たすぎるのでは?」と思うほどの落ち着き払った態度だった。
数日後、新たに女の子の遺体が事故現場近くで引き上げられたという情報が遺体安置所に流れ、多くの人が現場に駆けつけたが、そのなかにあの男性もいた。
彼は50メートル上の国道41号から、見る影もない遺体を見るや、瞬時に判別して娘の名を絶叫し、足場の悪い崖を一気に駆け下りて遺体に抱きつき、もらい泣きする周辺の救助隊員たちの手を借りることなく、号泣しながら道路まで駆け上がってきたという。