吉野家「家に居場所のない人が何度も来店する」

https://www.businessinsider.jp/amp/post-253254
吉野家の役員が自社のマーケティングを「生娘をシャブ漬け戦略」などと話したことについて、吉野家及び早稲田大学が謝罪した。
一連の発端になったのは、受講生のSNSの投稿だ。運営に抗議した受講生に話を聞いた。

発言は38万円超の講座初日、グループワークの課題で

問題となった発言は早稲田大学の「デジタル時代のマーケティング総合講座」で起きた。当講座は4月から7月に80時間をかけて行われる社会人向けのプログラムで、受講費用は38万5000円。

開講初日の4月16日、対面授業でキャンパスに集った受講生たちに課されたのは、牛丼チェーン吉野家のマーケティング課題の解決策をグループで話し合い、発表するというものだった。

講師は吉野家・常務取締役企画本部長の伊東正明氏。吉野家は18歳から25歳までの若い女性の集客に苦戦しており、こうした女性たちを取り込む施策を考えて欲しいと説明する過程で、伊東氏は「生娘をシャブ漬け戦略」と笑いながら複数回発言。「田舎から出てきた右も左も分からない女の子を無垢・生娘のうちに牛丼中毒にする。男に高い飯を奢ってもらえるようになれば、(牛丼は)絶対食べない」と話していたという。

教室には教授や講師陣も同席していた

受講生は授業の様子を振り返る。

「酷い性差別であるのはもちろん、覚醒剤で苦しんでいる人もいるのに、冗談にして笑って話して良いことだとは思えません。男性客に対しても『家に居場所のない人が何度も来店する』という趣旨の発言がありました。
企業の社会的価値が求められる時代に顧客を中傷する発言をすることに強い怒りを覚えましたし、その発言が教育機関でなされたことにも驚きました。
また、本心は分かりませんが教室にいた受講生の中には笑っている人もいて、温度差を感じました」(受講生)

当時、教室には早稲田大学の教授をはじめ「デジタル時代のマーケティング総合講座」の講師陣、運営スタッフが数名同席していたが、その場で注意する人はいなかったという。

受講生がすぐに大学の運営サイドに上記のような発言があったことを報告して謝罪を求めたところ、講義の最後に早稲田大学教授から謝罪の言葉があったという。

一方で伊東氏本人は既に離席していたためか教室での謝罪はなかったそうだが、同日(16日)に直筆での謝罪が受講生個人宛てに送られてきたそうだ。

その後18日には吉野家、早稲田大学共に公式ホームページで謝罪文を掲載している。