トラック運転手の斉藤陽一郎被告(37)は昨年5月10日、男子大学生のAさん(21=当時)をペティナイフで刺すなどして殺害したのちに、
住宅に放火しようとしたとして、殺人と放火予備の罪で起訴されていた。
逮捕当初、ふたりは「知人」の関係にあると報じられていたが、斉藤被告は、Aさんに対して知人以上の気持ちを抱いていたことが公判で分かった。

冒頭陳述などによると、Aさんは女装してデートなどを行い、金銭を得るパパ活を行っていたとされる。
被告は性的関係を持ったうえでAさんに金銭を渡していた。もともと妻子がいたが離婚後に気分が落ち込み、酒量が増えていたという被告にとっては、
被害者が心の拠り所だったのだという。

事件は、Aさんが被告に絶縁を告げたことがきっかけだったことには争いがなかった。
だが検察側は冒頭陳述で「被告がAさんから絶縁を告げられたことから絶望し、犯行に及んだ」と主張。
対する弁護側は「焼身自殺を試みようとしたなかで突発的にAさんを刺した」ことや「犯行当時は心神喪失の状態にあった」ことを主張していた。

被告人質問で被告が語ったところによれば、出会いはSNSではなく、道の駅だった。

「バイクが趣味で、2020年に道の駅で、偶然被害者と出会った。被害者は女装していて、面白いやつがいるなと思った。
翌年の1月3日に2人で飲んで、深く話し合い、それからしばらくして肉体関係を持つようになりました。被害者はいつも女装していました」

複数回会ったAさんに被告は、お金を渡すだけではなく、自分の所有していたバイクや、100万円を渡してもいた。

これはAさんから「お金がないので体を売る」と言われたことから、プレミア付きのポケモンカードを売って作ったお金だった。
当時、被告には肉体関係のある女性も複数いたという。Aさんに対する気持ちは「当初は恋愛だったけど友情でもいいかと思うようになった」と、
変化もあったと語ったが、突然絶縁を告げられてしまう。そして事件を起こしたのだという。