釜石の漁港にイワシの大群 「どんどん釣れる」「夕飯の唐揚げに」
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 岩手県釜石市の平田漁港で、イワシの大群が押し寄せる現象が続いている。岸壁のすぐ近くで群れを成して泳いでおり、多くの地元住民が連日、釣り糸を垂らす。岩手県水産技術センター(釜石市)によると、日本近海を流れる冷たい親潮の勢いが強まり、暖かい釜石湾内に迷い込んだと推測される。こうした海況は続きそうで、もうしばらくは珍しい光景が見られるという。

■サカナがぎゅっ、釣り人ぎょっ

 「どんどん釣れるから楽しい。唐揚げにして夕飯に食べたい」。6日午前、祖父と釣りをしていた地元の平田小5年石田逞夢君(10)が声を弾ませた。

 春休み中のイワシ釣りは4回目。「たくさんいるから網でも捕れた。こんな光景を見たのは今年が初めて」と驚いた様子だった。

 住民によると、イワシの群れが現れたのは3月下旬ごろ。下平田川の河口や係留中の船の近くに群れができやすく、お年寄りや家族連れが体長15〜20センチのイワシを釣り上げている。

 漁港近くに住む女性(67)は「バケツいっぱいにイワシを詰め込んで帰る人を見た。天気がいいと内陸部からわざわざやって来る人もいる」と、この1週間ほどを振り返る。

 県水産技術センターの担当者は「三陸沖を南下する冷たい親潮の勢いが例年と比べ強く、陸地の近くを流れている」と指摘。このため「暖かい場所を求めたイワシが大群で釜石湾内に入り込んだのではないか」とみる。北海道や青森県でも同様の現象が発生しているという。

 親潮の勢力が強い状態は少なくとも4月中旬まで続く見込みで「当面、イワシの群れは湾内にとどまるだろう」と話した。