「余が駅内のトイレを使おうと思った時、なにやら揉めてるような声が聞こえて後ろを振り返ったら、『いいから! いいから!』と男が女児の腕を引っ張っていたんじゃ。女児の方は『やめて!』と言っていたが、最初は親子ケンカか何かとも思った」と語り出したオーカーン選手。

「ところが、その女児と目が合った瞬間、『助けて下さい!』と余に訴えてきたんじゃ。そこで『あっ、これは事件なんだな!』と理解して、その男とは1メートルくらいしか離れていない射程距離範囲だったから、次の瞬間には自然と身体が勝手に動いてたよ」と振り返る。

オーカーン選手は、その時食べ物を持っていて、片手がふさがっていたため、その男性を「脇を差して相手の背中を持ち、片手でホールドするように取り押さえた」とのこと。

「最初は男性も怒気が荒く、『何だおまえ?』とか、『おまえに関係ないだろ?』とか言ってきたが、余は百戦錬磨でこうした事態に慣れてるから、あえて相手に敬語を使って、『何をしてらっしゃるんですか?』『もしかして親子ですか?』と聞いてみた。すると、その女児が『いえ、違います! お母さんがトイレの中にいて待っているんです』と言うから、『ああ、その隙間を狙ったんだな』と」

今回、状況が切羽詰まっていたとはいえ、いかつい風貌のオーカーン選手に助けを求めた女児に関しては、「こういうのは余の顔がどうとかじゃなく、単純に怖い目に合うと人は簡単には声を出せない。だから、彼女が声をあげたことが何より勇気があった事だと思う」と振り返ったオーカーン選手。


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